日本クラシック音楽コンクールの全国大会の審査

2015年日本クラシック音楽コンクールの全国大会の審査員をしてきました。
今回は大学生と一般の部の審査をしました。

 

2014年の全国大会は小学生1から4年生の審査をしています。

 

コンクールは受験者の人生を左右しかねないものなので、責任を感じます。

 

「このコンクールで入賞できなければバイオリンをやめる」
という覚悟で臨んでくる子もいるでしょうし。

 

「今年はコンクールの審査をするのはやめようかな」
と悩んだのですが、事務局から依頼されたので、結局引き受けました。

 

若い演奏を見るのも、元気になりますので(^-^)

審査の感想

去年と今年で審査員をして思ったのが、幼稚園児だろうが、小学生だろうが、大学生だろうが、
「年齢に関係なく、上手い子は上手い」
ということです。

 

小学生と大学生だと、かなりテクニックに開きがありますが、上手な子は同じように輝いています。

 

才能や努力もあるけど、上手い子はどの年齢でも上手い。

 

大学生になるにつれて、だんだん上手くなる、というわけではなく、
上手な子のテクニックが伸びて、テクニックのある上手な大学生になる、ということでしょう。

 

上手な人は、年齢問わず、音の輝きが全然違います。
音の質感といったら良いのでしょうか。

 

もちろんテクニックは、努力しないと身に付きません。
しかし、音の質は才能も必要です。。

 

「才能より努力が大事だ!!」
と言いたいのですが、バイオリンは才能が必要なのも確かです・・。

 

全国大会のレベル

全国大会では、全員上手です。
予選で素人レベルは落ち、本選ではさらに半数以下に絞られます。

 

全国大会では、予選の2割〜3割くらいの人数の参加者しかいません。

 

はっきり言って、全国大会は上手くて当たり前で、その中でいかに自分の良さを出すか、ということが求められます。

 

人を惹き付ける演奏をできるか、という、自分のアピールが出来ると有利です。

 

審査方法

審査としては、5人の審査員の上下カットした平均点で順位が決まります。

 

80、84、86、88、90
という点数がついたなら、
80点と90点の上下をカットし、
(84+86+88)÷3=86点(5位)
という3人の平均点でその人の点数が出ます。

 

上下カットの平均点が90点なら1位、89点なら2位、88点なら3位、87点なら4位、86点なら5位となります。

 

クラコンは、審査員同士が相談して順位を決めることはしないので、公平です。

 

審査員で話し合って、
「Sさんは上手だから、1位にしましょうよ」
ということが出来ないシステムになっています。

 

他のコンクールだと、そういう話を聞きますね。

 

審査員控室での話し合いで、
「E先生から○○さんの点数を下げるように言われた」
ということがあるようです。

 

私の生徒も、合格点だったのに、一人の先生のせいで、コンクールに落とされたことがあります(激おこ)。
後日、その先生にはご挨拶させていただきました。

 

相談してしまうと、複数の先生で審査をする意味がないです。
一人の意向を優先するなら、一人で審査しているのと同じだから。

 

審査員同士の相談ができない日本クラシック音楽コンクールの審査は公平です。

 

 

 

審査員がどのように演奏を聴いているか

 

私たち審査員が、演奏をどのように聴いているか、ご紹介します。

 

まずは、コンテスタントの演奏を聴いて、入賞に値するレベルかどうかを見ます。
周りよりも、レベルが突き抜けて高いかどうか、という点を見ています。

 

入賞でなければ、85点以下です。

 

入賞に値する、受験者の中でトップクラス、という方は、86から90点です。
実力があっても、練習不足、準備不足の方は当然落ちます(85点以下)。

 

そもそも本当に上手な人は、準備不足でコンクールに臨むことをしませんが。

 

コンクールは減点法

コンクールの点のつき方は、減点法です。

 

コンクールは、誰がなんと言おうと、他者との比較なので、他人より上手くなければ入賞できません。

 

事務局も、
「一番上手な人を1位にしたい」
という思いがあるようです(当然だよね)。

 

コンクールでは
スキを見せた奴が負けます

 

これは間違いない。

 

・たくさんミスする人は、ミスする程度の練習しかしていない。
・音程が甘い人は、それまでの人生で、音程に対して本気で気を付けてこなかった。

 

このような理由で、減点対象になります。
入賞したければ、審査員に減点させるスキを見せてはいけないのです。

 

 

私は、参加者全員に入賞させてあげたいのですが・・・。
現実問題として、入賞者を数名(1〜6人くらい)に絞らなければなりません。

 

コンクール本番でスキを見せれば、減点になります。
スキがある人は、審査員の平均点が下がり、結局入賞できません(実力があったとしてもです)。

 

 

逆に
音楽的に素晴らしい演奏なら、加点対象になります。

 

並はずれたカリスマ性を見せる演奏は、多少ミスをしても気になりません。
少々のミスでも、減点されずに済むし、加点対象になるかも。

 

たくさんミスをすると、ミスに対して厳しい審査員から低評価がつくので、入賞から遠のきますが。

全国大会の感想まとめ

今回の全国大会で入賞した方は、全員演奏レベルが高い人でした。
日本クラシック音楽コンクールの参加者のレベルは、以前(10年前)よりも上がったように思います。

 

今回の入賞は4位や5位が最高位でしたが、日本トップレベルの方ばかりで、1位や2位をとっても良いように思いました。

 

正直
「もう少し入賞者が出ても良いのになー」
と思いました。

 

みなさん、私よりもはるかに才能ある人たちばかりです。

 

私が上手だから審査員をしているのではありません。
年齢が参加者より上だから、ちょっとだけ肩書きがあるから、審査をしているのです(笑)

 

 

審査員だからといって、
「審査している自分は偉いんだ」
と勘違いしないようにしないとね。

 

コンクールの評価は審査員に委ねられているので、誰が審査しても同じ結果が出るわけではありません。
審査員が違えば、違う人が入賞するかもしれませんし、順位も入れ替わるかもしれません。

 

コンクールで入賞できなかった方も、悔しさをバネにさらに飛躍していただければと思います。

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