交響曲はなぜ4楽章制?
オーケストラをやった事がある人、聴いたことがある人は分かると思うのですが、
ほとんどの交響曲は、4楽章です。
ベートーヴェンの運命の交響曲、ドボルジャークの交響曲<新世界>
他にもモーツァルト、ハイドンなどは
ほぼ100%、4楽章制で書かれています。
プロコフィエフやショスタコーヴィッチ、マーラーのシンフォニーだって、
4楽章です。
なぜなのか?
これにはとても深い意味があるのか、
あるいは、なんとなく慣習的にそうなっているのか。
気になりませんか?
4楽章制の理由
交響曲が4楽章なのは、なぜか!!
それは
聴いてる人が退屈しないようにするため
です。
緩急つけないと、お客さん飽きちゃうからね!
ゆっくりな曲ばっかりだと、眠くて飽きちゃうでしょ?
ちゃんと、お客さんのことを考えて、4楽章制がとられているわけです。
意外と単純な理由でしょ!
4楽章の基本構成
交響曲の4楽章制について、簡単に見ていきましょう。
1楽章・・快速で速い、生き生きした曲
2楽章・・ゆっくりの、落ち着いた曲
3楽章・・すこしだけ早い、踊りのメヌエット
4楽章・・とても速い、終わりを華やかに締める曲
1楽章と4楽章が速くて、2楽章が遅い、
3楽章もまあまあ速い。
といった感じですね。
1楽章の出だしだけは、ゆっくりな序奏が付く場合があります。
出だしがゆっくりだからといって、遅い楽章というわけではないのです。
例えばベートーヴェン7番の1楽章です。
1楽章抜粋の動画(のだめ)なので、めちゃカットされています。
最初はゆっくりの4拍子ですが、
1:38〜速い2拍子になっています。
この1:38〜の部分が、本当の1楽章です。
最初のゆっくりな部分は、速い2拍子への引き立て役の部分です。
ちなみに、このコンサートマスターは、松脂を塗らないで弾いているそうです(^o^)
オーケストラの指揮は、隣の人や、後ろの音大生がとっています。
そりゃ俳優さんが、いきなりバイオリン持って弾けるわけないしね・・。
役者さん、ここまでボーイングを覚えるのも大変だっただろうと思います。
松脂つけないで弾くと、弓もすべっちゃうしね!!
すごい努力です!!
緩急をつける理由
曲の構成で緩急をつける理由は何でしょうか?
メリハリをつけて、お客さんを飽きさせないためです!
バイオリン協奏曲だと、3楽章制で、
1楽章・・速い
2楽章・・ゆっくり
3楽章・・早い
というように、緩急をつけた構成になっています。
基本的に最初と最後の楽章は、テンポが速いのです。
やっぱりゆっくりの曲って眠くなっちゃうしね(^-^;)
最初からゆっくりな曲とか、
最後の曲がゆっくりだったりすると、
だれちゃいますよね?
ゆっくりな曲で眠くなるのは、人類共通みたいですよ(^o^)
コンクールだと、ゆっくりの曲弾いている人より、
速い曲を弾いている人の方が、上手く聴こえやすいですよね。
ベートーヴェン7番を聴いてみよう
ベートーヴェンの全曲を聴いて、構成を聴いてみましょう。
0:00〜 1楽章の序奏(プロローグ)
3:55〜 1楽章の本部<ここからが本体>
4:31〜 1楽章のメインテーマ
14:43〜 2楽章(すぐにメインテーマ)
23:41〜 3楽章(すぐにメインテーマ)
25:58〜 3楽章サブテーマ ”trio(トリオ)”と言います
32:58〜 4楽章(33:02〜からすぐにメインテーマ)
せっかくなので、4楽章制のおさらいをしてくださいね(^-^)
1楽章はどんな雰囲気で、2楽章はどれくらい遅いのか。
4楽章はどういう曲想(曲の雰囲気)なのか。
テンポを確認してみましょう(^o^)/
抜粋で聴けば良いです。
バイオリン上達.comの教材
久保木隆文の奇跡のバイオリンレッスン
そもそもアインザッツとはなんでしょうか?アインザッツは、皆で呼吸を合わせて演奏できるようにするための合図や呼吸です。呼吸を合わせて演奏すると、オーケストラが一体となって鳴ります。演奏の呼吸が合わないと、バラけて聴こえますし、オーケストラやアンサンブルの音として弱くなってしまいます。アインザッツについて、教えてくれる人って全然いないんですよね。オーケストラや室内楽をやりながら覚えていく、というのが一...
オーケストラをやった事がある人、聴いたことがある人は分かると思うのですが、ほとんどの交響曲は、4楽章です。ベートーヴェンの運命の交響曲、ドボルジャークの交響曲<新世界>他にもモーツァルト、ハイドンなどはほぼ100%、4楽章制で書かれています。プロコフィエフやショスタコーヴィッチ、マーラーのシンフォニーだって、4楽章です。なぜなのか?これにはとても深い意味があるのか、あるいは、なんとなく慣習的にそう...
オーケストラをやっていると、たまに落ちたり、弾けなくなったりしますよね。ちなみに”落ちる”とは、今どこを弾いているのか分からなくなることを言います。「やべえ、落ちた!今どこ??」みたいな感じで使うのです。私のような天才的な能力を持つ人(!???)でも、やっぱり間違える時はあります。オーケストラは、曲が長いので、弾けないところはバカ正直に弾かずに、適当にごまかした方が良いです。突然落ちることってある...
「指揮なんて誰がやったって同じだろ?」「メトロノームでいいんじゃないの?」こんなように思っている方が結構いらっしゃるようです。指揮者でオーケストラの音は変わるのでしょうか?指揮者が決めるのはテンポだけではありません。基本的には、みんなが同時に音を出せるためにいるのが指揮者なのですが、曲の表情、音量バランス、ルバート(テンポの微妙な揺れ)、など、色々な仕事も同時に行わなければなりません。テンポが分か...
同級生から、面白いアンケートが届いたので、やってみます。内容は、「オーケストラ奏者から見るオーケストラのオーディション・オケスタについて」協力してる側だから、勝手に公開しても大丈夫だよねっ。
「プロオーケストラに入りたい!」音大に入ったら、誰もが夢見る!?ポジションです。プロオーケストラに入るには、オーディションを通過するしかありません。オーケストラのオーディションも、何度かするようになり、どういう演奏が通るのか、分かるようになりました。コンクールとオーディションは、審査基準が違います。難しいオーケストラのオーディションについて、私なりに解説してみたいと思います。
楽器演奏をするにあたって、指揮法の習得は絶対条件だと思います。特に高いレベルを目指す人であればあるほど、指揮法について深くしっておく必要があります。協奏曲を弾く時に、オーケストラをコントロールするのも、指揮の知識がないと出来ませんからね。アマチュアオーケストラの団員さんで、「指揮のことは知らない・分からない」という人がいます。しかしそれは、「信号の意味が分からず、なんとなく運転している」に等しいと...
指揮法で打点を作ることの大切さについて、お話します。打点を伴う指揮というのが、指揮の基本中の基本です。トップレベルのバイオリン弾きになるのであれば、必ず習得しなければならない指揮法のポイントです。指揮法では、まず形を理解することが大切です。2拍子なら、1拍目が下(下右)、2拍目が上3拍子なら、1拍目が左下、2拍目が右、3拍目が上4拍子なら、1拍目が下(下右)、2拍目が左、3拍目が右、4拍目が上とい...
わたしは、プロオーケストラで8年ほど働いております。年間に50人近くの指揮者と出会い、仕事をしています。オーケストラ団員が、指揮者に対して思うことを書いていきます。指揮者とは、オーケストラを右手と指揮棒、体の動き、顔の表情でもって、コントロールする職業です。クラシック音楽界の中で、最も儲かる花形の職業であり、競争も厳しい、かなり大変な職業です。1回の演奏会で、30万円〜100万円単位のギャラが入る...