バイオリンの価格と性能は比例するのか



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バイオリンの値段

バイオリンの値段ってどのように決まるかご存知ですか?

 

バイオリンの値段の話になると、ほとんどの人は、
「ストラディバリっていうのが数億円するんでしょ?テレビ(芸能人格付けチェック)でやってた(^-^)」
という感覚だと思います。

 

ストラディバリウスのことは知っているけど、他のバイオリンの値段のことは全然知らないのです。
バイオリンの値段は、一般に広く知られていませんしね。

 

※ちなみに「ストラディバリウス」はバイオリンの製作者の名前です。
ストラディバリウスはイタリア人です。
ただし、一般的にいう「ストラディバリウス」は、「ストラディバリウスが作ったバイオリン」のことを指します。

 

 

当然ながら、バイオリン弾き全員がストラディバリウスを使えるわけではありません。
ストラディバリには数に限りもあるし、そもそもほとんどの人は億単位の資産を持っていません。

 

一般的なバイオリン奏者は、ストラディバリウスより安い、普通のバイオリンを買うことになります。

 

一般的な(普通の)バイオリンの値段の相場ってどんなものなのでしょうか?

 

では一つ、バイオリンを見てみましょう。
バイオリンの価格
パッと見て、このバイオリンの値段がいくらか、分かります?

 

バイオリンの値段なんて、見ただけでは分からないですよね(^-^)
私だって、ほとんど分からないのだから、他の人はもっと分からないでしょう。

 

それでは、どのようにバイオリンの値段が決まるのか、見ていきましょう。

バイオリンの値段はどうやって決まるのか?

バイオリンの値段がどう決まるのか、というのは、大きく分けて3つの要素があります。

 

1、バイオリンが古い

 

年代が古ければ古いほど高いのがバイオリンです。
新しいものは、安い。
古いバイオリンの方が音色が良く、新しいバイオリンはキンキンしやすいです。
一番古いのが、ストラディバリウスの師匠のニコロ・アマティ(1596-1684)です。
だからバイオリンの一番古いものは1600年代だと覚えておけば良いです。

 

2、楽器の保存状態が良い

 

破損の事故・割れキズが少ないバイオリンほど、価値が高いです。
ストラディバリであろうと、車に踏まれてバラバラになってしまえば、無価値に等しくなります。
古い1800年代のバイオリンなどは、修復は避けられませんが、破損が少なくきれいな状態(ミント状態という)のバイオリンが一番価値が高いです。

 

3、有名な製作家が作ったバイオリン

 

腕の良い有名なバイオリン製作家が作ったバイオリンは、価値が高いです。

 

有名なバイオリン製作家というと、ストラディバリウス、グァルネリ・デル・ジェスの2人は別格として、その他にも有名なバイオリン製作家がいます。
ガダニーニ、ロッカ、プレッセンダ、ストリオーニ、ファニョーラ、スカランペラ、ガリアノ、など他にも50人以上有名な製作家がいます。

 

ちなみに、全員イタリア人です。
「バイオリンはイタリアが本場」と言われる理由です。

 

彼らは腕が良い楽器職人ばかり(皆とっくに死んでます)なので、有名なバイオリン製作家のバイオリンは高いのです。
ブランド志向のようなものですが、有名な製作家のバイオリンは価値が高いです。

 

ニセバイオリンに注意しろ!

 

バイオリンは、偽ブランド品が多いのです。
本物の100倍以上、ニセモノが出回っているでしょうね。
例えば、ファニョーラは、贋作(がんさく=ニセモノ)作りの名人でもあったので、鑑定が難しいバイオリンです。
ファニョーラは自分の作ったバイオリンに、ロッカのラベルを貼って、高値で売っていたりしていました。
ファニョーラは2000万円程度、ロッカは5000万円程度で取引されているバイオリンです。

 

ファニョーラが作ったものならまだ良い(3000万円の損で済む)ですが、腕の良くない職人が作ったニセモノバイオリンは腐るほどあります(今月も2台ニセモノを見ました)。
プロの間で出回っているものも、かなりニセモノが多いです。

 

プロバイオリニストのお墨付きなら安心?

 

「プロバイオリニストが持っているバイオリンなら大丈夫だろう」
「プロが良いって言うなら、良いバイオリンだろう」
という考えは甘いです。

 

6年前くらいですが、
「プロのオーケストラ奏者が行っている楽器屋ならまず大丈夫だろう」
と思い、楽器屋でバイオリンを買ったのですが、とんでもないニセモノを掴まされた事もあります。
あれは最悪だった・・・。

 

プロバイオリニストが
「このバイオリンは本当に良いよ!!」
と言うのを聞いたら、まず疑った方が良い。
本当に良いものであれば、自分が手に入れるはずだからです。
ディベート(紹介料)のためか、自分のいらない楽器を処分するためか、とにかく自分の利益のためにやっていると思わないといけません。

 

プロの演奏家といっても、楽器の専門家ではないので、楽器の本当の価値は分からないはずなのです。
「楽器の真贋や価値が分からない」、ということを自覚していない人がほとんどでしょう。

 

売ろうとしている人がよく言うのは、

 

「こんなに良いバイオリンはめったに出てこない
すぐに売れちゃうと思う」
「弾いているうちにもっと鳴るようになる」
「将来的に2倍以上の値段で売れる

 

です。

 

これをまともに信じてしまうと、馬鹿を見てしまうのです。
2倍の値段で売れるなら、自分で売れば良いわけですから。当たり前だよね。
冷静に判断する必要があるでしょう。

 

世の中に出回っている大半のバイオリンはニセモノです。
覚えておくと良いでしょう。

 

ラベルに”Stradivarius”の文字が!!

 

バイオリンの中に貼ってあるラベルには1円の価値もないというのも覚えておくと良いでしょう。
ラベルは、バイオリンの製作家を証明するものではないので、ラベルで製作者を判断するのはバカです。

 

これもほとんどの人は知らない、バイオリンの常識です。
ラベルは「フーン」って見るためだけにあって、作者を知るには鑑定書を見ないといけない。
それこそ鈴木の入門用バイオリンのラベルにも”stradivarius”とか書いてあるでしょ。

 

バイオリンのラベルに価値はない

 

このStradivariusuラベルは、8万円のバイオリンに貼ってあったものです。

 

バイオリンの製作者をラベルで判断してはダメ!
鑑定書を必ず読み、全ての内容を理解する!

 

バイオリンの購入を検討する場合は、鑑定書のコピーをもらってください。

 

「母親が鑑定書もらってこいとうるさくて」
「先生が鑑定書もらってこないと殺すって言ってた」

 

など、理由づけすると良いでしょう。

 

鑑定書は、隅から隅まで、全部読まないとダメよ。

バイオリンの値段によるランクづけ

バイオリンは、値段によって、ある程度ランク分けができます。
古ければ古いほど、値段が高くなっていきます。

 

1万〜8万円・・・ゴミバイオリン
8万〜30万円・・・入門用バイオリン
30万〜100万円・・・手工品バイオリン
100万〜300万円・・・新作(1980〜2015年)バイオリンの良品
300万〜500万円・・・音大生用のバイオリン(1900〜1950年くらい)
500万〜1200万円・・・モダン(1880〜1950年)のバイオリン、本格的なバイオリン
1200万〜4000万円・・・オールド(1800〜1890年)のバイオリン、本格的なバイオリンで年代が古い
4000円〜8000万円・・・超一級品のバイオリンばかり、古くて、音も一級のもの(ロッカ、プレッセンダ等)
8000万円〜20億円・・・G.B.ガダニーニ、ストラディバリウス、ガルネリウスなどが該当する。歴史的な文化遺産でもある。

 

1万円から8万円までのバイオリンは、子供用分数バイオリンのような、チャチな音がします。
8万円以上のバイオリンは、悪くはないんだけど、良くもないバイオリンです。
30万円以上だとバイオリンらしい音になります。
100万円クラスのバイオリンは音色の深みがまるで違います。
300万円を超えると、モダン(ちょい古)か、新しめのイタリアバイオリンになります。
500万円からは、300万円よりもさらに音が良くて、少し古いイタリア製です。
800万円を超えると、風格のある音が出ます。
1200万円からは古くて良い音が出ます。
2000万円からは完全にオールド(1800年頃)バイオリンです。
4000万円からは、笑ってしまうくらい良い音がします。
6000万円以上のバイオリンは触った事がありませんので、分かりません。しかし、バイオリンから魂が宿っているような音が聴こえます。

 

 

東京芸大、桐朋の音大生なら、1000万円くらいのバイオリンがあると、一番望ましいです。
最低で300万円くらいですね。
本音でいうなら、500万円以上は予算がほしいかな。
300万円のバイオリンだと、ちゃんとしたコンクール(日本音楽コンクール・学生音楽コンクール)でなかなか勝てないです。
実力が拮抗しているなら、バイオリンの差というのも出てしまいます。

 

しかし、芸大、桐朋、東京音大に入れない実力なら、500万円を超えるバイオリンを持っていてもしょうがないですね。
宝の持ち腐れになります。

 

まあ実力がない人が持っている500万円のバイオリンは、ほぼニセモノです。
50万とか100万円とかそれくらいのバイオリンですね。

 

不思議なのですが、演奏の実力より、格上のバイオリンを持っている人は、ほとんどいません。
だいたい、実力と同じくらいのバイオリンに落ち着きますので、ご安心ください。

 

バイオリンを弾く人が、バイオリンに選ばれている。

 

アマチュアの方は、だいたい100万円くらいをマックスに見れば良いと思います。
アマチュアでも音大生並に弾けるなら、マックスで300万円くらいかな。

 

値段と音は比例するのか

バイオリンのランク付けをやってみたわけですが、実際に値段が上がると、音が上質になるのでしょうか?
300万円と500万円のバイオリンって差があるのでしょうか?

 

300万円と500万円だと、基本的には500万円のバイオリンの方が良く鳴るはずです。
しかし、とても良い300万円のバイオリンだったら、よく鳴らない500万円のバイオリンより良い場合もあります。

 

必ずしも値段が高いから良いバイオリン、という訳ではないので、難しいところです・・。

 

1万円と100万円だと、絶対的な差を感じるはずですが、弾きこまれていないバイオリンは、すぐには鳴らないので、判断が難しい場合もあります。
バカ鳴りする1万円と、作りは良いが弾きこまれていないので鳴らない100万円のバイオリンだと、1万円の方が良く感じてしまう場合もあるでしょう。

 

バイオリンに慣れていない方だと、安いバイオリンの方が良いように感じる場合が多いのかな、と思います。

 

 

 

個人的な見解ですが、
1000万円〜3000万円のバイオリンというのは、ほとんど差がない場合が多いです。
価格の差は古いかどうかですし、古くて鳴らないバイオリンはとても多いので、少し新しくても元気に鳴るバイオリンの方が良い場合もあります。

 

1800年の古くて音は良いんだけど鳴らないバイオリン(3000万円)、1900年の健康的に鳴るバイオリン(1000万円)だと、後者の方がよく鳴るバイオリン(買うべきバイオリン)、というケースも多いのです。
だから3000万円くらいのバイオリンを買うくらいなら、1000万円くらいでよく鳴るバイオリンの方が良いんじゃないかなあ、と思います。

 

プレッセンダというのは、4000万円〜6000万円くらいのバイオリンですが、状態のよくない鳴らないプレッセンダ(3000万〜4000万円くらいでしょうか)は1000万円のバイオリンにも負けます。
プレッセンダは素晴らしいバイオリンをたくさん作っていますが、繊細な傷つきやすい楽器が多いので、もう鳴らなくなってしまっているバイオリンも多いのです。
鳴らないプレッセンダを買ってしまったら、大変ですね。

 

古いバイオリンは良い音がしますが、音量が出ないものも多いので注意!

 

コンクールで勝つ、オーディションで生き残るためには、音が大きくて、音色が美しいバイオリンであることが必要です。
もちろん実力があることが前提ですが。

趣味でバイオリンを始めるなら

趣味でバイオリンを始めようと思っている方は、あまりの値段の高さに驚いたかもしれませんね。

 

それでも「バイオリンを始めたい」と思うのであれば、20〜50万円くらいのバイオリンの購入をおすすめします。
1万円のバイオリンで始めてすぐ辞めるのもありですが、10万円以下のバイオリンだと、すぐに物足りなくなると思います。

 

30万円くらい出せるのであれば、グリガなどのバイオリンもありかなと思います。

 

バイオリンはあらゆる楽器の中で1番値段が高い楽器なので、本当にお金がかかります。
バイオリンをやるのであれば、よく財布と相談し、試し弾きをしたりして、購入するようにしてください(^-^)/

 

>>グリガに興味のある方はコチラ

※この記事は2015/6/10にfacebookでシェアしていただきました。ありがとうございます!(^-^)


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