指揮法では打点が大事!

 

指揮法で打点を作ることの大切さについて、お話します。
打点を伴う指揮というのが、指揮の基本中の基本です。
トップレベルのバイオリン弾きになるのであれば、必ず習得しなければならない指揮法のポイントです。

 

指揮法では、まず形を理解することが大切です。

 

2拍子なら、1拍目が下(下右)、2拍目が上
3拍子なら、1拍目が左下、2拍目が右、3拍目が上
4拍子なら、1拍目が下(下右)、2拍目が左、3拍目が右、4拍目が上

 

というように、形を理解することが大切です。
小学校や中学校では、4拍子の1拍目は左下に下ろすように習いますが、基本的には下に降ろした後に右に行った方が良い気がするなあ・・。

 

 

齊藤秀雄先生は、完全に右下に振っていますね(2拍目をはっきり左に振るため)。
日本の指揮者界の原典である、齊藤秀雄先生が下に行ったあと右に行っているのだから、基本的には「4拍子の1拍目は下右」で良いと思います(分かればなんでも良いけど)。

 

拍子の形だけ正確に振っても、良い指揮とは言えないのです!

 

形は正確に振ることに加え、打点をつくることを意識すれば、プロの指揮者と同じ指揮法が出来ます。

 

アマチュアの方が指揮をすると、どこか不自然・変に感じるのは、打点を作ることが出来ていないからなのです!
もともと、指揮とは、床を叩くことから始まっています。

 

床を叩くとうるさいから、空間を叩くようになったわけです。

 

形だけ真似ても、空間を叩くように指揮しないと、分かりづらい指揮になってしまうのです!

打点を作る練習

打点を作る練習では、体の前に左手をだし、右手で左手を叩くようにします。

 

 

最終的には、空間を叩く指揮にするわけですが、まずは左手を叩くことで、叩く練習をします。
打点を通過する時に、右手のスピードはもっとも速くなります。

 

打点を意識したことがない人は、指揮棒を持たずに練習することをおすすめします。

 

私は小さい頃、
「指揮棒を持っている方が、偉い指揮者だ」
と思っていたのですが・・。

 

指揮棒を持とうが、指揮棒を持たなかろうが、すごい指揮者は良い指揮をするものです。

 

小澤征爾さんや、テミルカーノフ氏など、桁はずれの指揮者でも指揮棒をもたないで指揮をする方は結構います。

 

指揮棒がなければ指揮が出来ない、ということはないのです!
指揮棒があった方が、図形が大きく描けるから見やすい、というメリットはあります。

 

指揮の練習には指揮棒は必要ではありません。
右手できっちりと指揮が出来るように練習しましょう。

オーケストラで弾く時の注意

オーケストラで、指揮に従って弾く時は、

 

打点よりも先に音が出ないようにする
ことを徹底してください。

 

棒が振りおろされる前に、音を出してはいけません。
必ず打点を見て、そこで音を出します。

 

オーケストラでは、打点を見てから音を出すので、打点より実際の音の出るタイミングは遅れることがしばしばあります。
プロオーケストラなら、打点よりも音が遅れて出ていることがほとんどです。

 

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わたしは、プロオーケストラで8年ほど働いております。年間に50人近くの指揮者と出会い、仕事をしています。オーケストラ団員が、指揮者に対して思うことを書いていきます。指揮者とは、オーケストラを右手と指揮棒、体の動き、顔の表情でもって、コントロールする職業です。クラシック音楽界の中で、最も儲かる花形の職業であり、競争も厳しい、かなり大変な職業です。1回の演奏会で、30万円〜100万円単位のギャラが入る...